テクノロジ
弊社のエンジニアリングチームメンバの大部分は、コンピュータサイエンスと電気工学の分野で学位を取得していています。これは、Scenargie®の製品開発や関連するエンジニアリングサービスを提供する上での専門知識の一つのポートフォリオとなっています。
弊社で提供している製品及びサービスのベースとなるテクノロジを次に示します:
・並列離散事象シミュレーション(PDES: Parallel Discrete Event Simulation)
並列離散事象シミュレーション(PDES)を用いる事で、詳細なシミュレーションモデルを、モデルの抽象化を行わずにマルチコアプロセッサマシン上で高速に実行することができます。モデルの抽象化は、シミュレーション結果の精度を落とすリスクがあり、いくつかのシステム評価手法ガイドラインでは許可されていません。PDESでは、シミュレーション精度を維持したままで、実行に利用されるコア(プロセッサ)の数に比例して高速化することができます。この技術は、抽象化手法が標準化されていない新しいシステムなど、抽象化が困難なシステムを評価する場合に、特に重要となります。
しかしながら、PDESは、この技術を考慮せずに設計された既存のシミュレーションツールやフレームワークに導入することは困難です。Scenargie®シミュレーションフレームワークは、初期段階からPDES技術に対応するために設計・構築されていますので、Scenargie®を利用することにより、一般的になったマルチコアプロセッサによる処理能力の利益を得ることができ、さらに生産性を高めることができます。
・マルチエージェントシミュレーション(MAS: Multi-Agent Simulation)
マルチエージェントシミュレーション(MAS)とは、属するシステムに関する知識なしで自律的に活動し、互いに影響し合う複数のエージェントから成るマルチエージェントシステムのシミュレーションです。MASの考えは、各ネットワークノードを一つのエージェントと見なすことでネットワークシミュレータとも良く似ています。私たちは、ユーザ行動のモデル化にMAS技術を応用しています。これにより、WiMAXシステムのエンド・ツー・エンドのサービス品質評価、自動車通信における安全走行アプリケーションの性能評価などのソリューションをお客様に提供します。
・地理情報システム(GIS: Geographical Information System)
現実的で複雑なシステムシミュレーションシナリオを構築する上で、シミュレーションフレームワーク内に地理情報システム(GIS)データを適切に活用することは必要不可欠です。例えば、モバイルノードは、それらが歩行者か乗り物であることにかかわらず、道路や建物内に移動します。それらの無線受信感度は、地形や建物などの障害物の影響を大きく受けます。GISデータの利用はユーザ行動や電波伝播のような、環境の影響を考慮したシステムシナリオの構築には、非常に重要であると考えられます。しかしながら、GISデータを適切に扱うことができるネットワークシミュレーションツールは今まで存在していません。私たちは、GIS技術を応用することで、このような要求をScenargie®のフレームワークに取り入れています。
・無線通信とネットワーク
弊社のエンジニアは、無線通信とネットワーク技術のバックグラウンドを持っているため、対象システムの研究、開発、標準化を行うコミュニティで直接活動しています。このような方法により、コミュニティからのフィードバックを直接受けることができ、実際に利用される場において、より付加価値をつけるべく、M&S製品の改良を行っております。現在、弊社ではIEEE802ワーキンググループに参加しています。
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